介護に備える民間の介護保険『太陽生命のMy介護Best』は保険会社だけではなくいろいろな銀行でも販売されているので検討している方も多いのではないでしょうか。
我が家も2016年に銀行で提案され加入しているのですが、気がつけばもう5年以上が経過していました。
介護に備えるには年齢的に早めだと思いましたが、普通預金に置いているだけではまったく増えない時代です。
損益分岐点は5年でしたので、5年以上置いておけば損はしないかな!と加入を決意しました。
(夫婦で話し合う)
今一度、加入した保険の内容(中身)については解約返戻金以外はほとんど覚えていなかったので保険証券と当時の設計書を振り返ってみる事にしました。
・この介護保険の損得ラインのシミュレーションをしてみる!
・5年経過後の考え方(解約した方がいいのか?継続か?)
についてもう一度、夫婦で話し合う事にしました。
結論から言いますと
・5年以上継続すれば基本的に損はしないけど、得もしない保険商品です。
投資商品としては運用に適しませんが、介護に備える保険としてみれば保険料控除(会社員は全期前納でも5年間は一般の保険料控除を申請できる)や万が一の時の税金軽減対策には使えます。
普通預金もしくは定期預金に寝かしている資金がたくさんあり、株や債券など投資で損したくない方には一定の需要はあるのでは?と感じました。
支払った保険料は
①解約返戻金として受け取るか?
②介護年金として分割して受け取るか?
③死亡保険金として家族に残すのか?
この3択から選択すれば戻ってはきます。
この一時払い介護保険(全期前納)の損する分岐点は5年以内の途中解約です。
しかし、10年経過しても20年、30年、40年と経過してから解約しても解約払戻金額はまったく増えていません。

30代や40代の方には一度現金化して他の商品で運用する
→時が経ち20年後30年後の60代から再び約600万ほど一時払いして介護に備えても遅くないのでは?と感じます。
逆に、60代〜70代のシニア世代の方にとっては現預金に余裕があるのであればそのまま5年後も持ち続けてもいいのかな!と感じます。
加入者の年齢で使い分ければいいと判断します。
機会損失だと感じる方は損益分岐点を超えた時点で乗り換えましょう。
銀行で提案されて加入した場合
この介護保険は保険会社からというよりは販売を引き受けている銀行から加入するパターンが多いようです。
普通預金に置いているだけでは増えない時代ですので保険で運用してみてはいかがでしょうか?
確かに預金では増えない時代です。
我が家も『まぁいっか!』と軽い気持ちで決断しました。
でもそもそも当時はお互いに30代でしたので介護に備えるには早過ぎだと思っていました。
しかし株や投資信託も当時(2016年)はまだ現在よりもメジャーではありませんでした。
投資で勝てる人は一握りの世界で何に投資をすればいいのか分からない時代でもあったのでとりあえず5年間は運用してみようと考えました。
私達と同じように○○銀行から提案された場合、損益分岐点を迎える年数までは維持することを勧めます。
5年後までは頑張って踏ん張りましょう!
長生きリスクに備えるなら
視点を変えて、60代になった時のことを想定してみます。
先ほどのシミュレーションは2019年のパンフレッドですが、中身はそんなに変わっていない印象です。
加入するなら全期前納(一時払い)一択
全期前納払いの場合、70歳まで加入することができます。
約600万円支払って5年後以降の解約した場合の払戻金はほぼ100%の返戻率です。

75歳から要介護2以上と認定され、介護施設や要介護が必要となった場合に介護年金が年間30万円支給されます。
初年度は1.3倍の39万円、以後19年間は30万円の合計609万円は受け取れる計算です。
途中で不幸にも亡くなられた場合も支払った保険料は戻ってくる仕組みです。
ただし、物価上昇には対応していないのでその辺りを考えると・・・。
まだ契約していないなら止めておきましょう。
分割払いはおすすめできない

35歳の女性が将来の不安からこの介護保険に加入した場合、毎月の保険料は約2万円です。
15年後の50歳の時点で解約したくても返戻率は70%と支払った保険料を大きく下回ります。
15年かけて140%に育つ米ドルの商品は知っていますが、円建ての保険商品では70%にしか育っていません。
50歳では介護状態となるリスクも低く、大切な『時間』の機会損失だと言えます。
これなら現預金を貯めておく方がいいでしょう。止めておきましょう。
まとめると
介護保険の全期前納額を含めて現預金が1,000万円以上あれば、5年後すぐに解約する必要はないと判断していました。
5年経過後は解約しても元本割れはしないので、現金が必要な時に解約手続きをすればいいと思いました。
しかし、10年後の返戻率も103%ほど、20年後も変わらず・・・。
これだと30代、40代の世代の私たちには機会損失にしかなりません。
0.3%の定期預金の方が10年後は育っています。
今なら商社や銀行株など10社ほどに分散して配当投資の方がリスクに見合ったリターンを得られるとも考えられます。
ただし、世代が変われば話も変わってきて60代以降はそのまま持ち続けて要介護2以上と認定すれば介護年金も受け取れます(支払った保険料を受け取るかたちですが・・・。)
長期になればなるほど預金よりお金は増えなくなりますが、余裕資金があればこれはこれで維持してみいいと思います。
医療従事者(介護施設)の話によると、20年以上も要介護状態が続くのは年齢など個人差もありますが稀です。
しかし、中には民間の保険に入っていて保険料以上に保険金や介護年金で助かっている人もいるようです。
無駄な保険料となっている方は健康だからそれはそれで幸せな事だと思います。
不幸にも保険の恩恵を享受できた方は金銭的な恩恵は得ても健康的な老後としては不幸かも知れません。
(保険は不幸な宝くじと言われています)
したがって我が家としても今は一度解約をして他の商品で運用するのが私の個人的な感想ではあるので、パートナーにもう一度考えなしてもらう方向へ相談する予定です。
6年経過後の現在の解約返戻金は9万円ほどのプラス(約410万→419万)です。
運用としてはイマイチですが、普通預金に寝かせているよりはよかったのでまた進展あれば更新したいと思います。