昨年よりメディアでも頻繁に取り上げられている外貨建ての保険ですが、苦情が激増しているようですね。
察するところ為替の仕組みが上手くいった場合、つまりいいシナリオでのイメージしかしていない、もしくは提案する側の説明不足と契約する側の理解不足が原因なのだと感じます。
外貨建ての保険が売れてきた背景には、日本の金利(利回り)が超低金利であり円建てでは増えない一方、米国ドルや豪ドルの金利(利回り)は日本よりも高いので
「金利の高い外貨で運用して老後の資産を増やしましょう!」
と提案されて契約したのだと思います。
外貨のポイントは「為替」であり為替取引経験者(FXや外貨預金)であれば外貨両替手数料がどれぐらい必要なのか分かりますが、この手数料が買う時(契約時)も売る時(解約時)も必要というのが結構なくせ者なのです。
私も過去にFPから外貨建て(豪ドル建て)の保険(変額終身保険)のシミュレーションを提案されたことがありますが
①毎月支払う保険料高過ぎじゃない?
②支払い期間終了が80歳ってありえへん。長すぎるでしょ
③外貨の変額だと運用利回りだけでも不確定要素なのに為替も考慮しなければいけないの?
④一時払い保険料の費用(手数料)が8.5%も引かれるの?
④の一例として
1000万円分の保険に加入したとすれば一括払いの購入手数料が85万円引かれて915万円からの開始となり、ドル建てに両替する時にはまた手数料が引かれてからのスタートです
(過去に提案された外貨建て変額終身保険の実際のシミュレーション内容から)
などいろいろと思う所があり
ぶっちゃけ
「購入(契約)したいとは全く感じませんでした!」
金融機関(銀行、かんぽ生命)である店舗での提案は人件費以外にもコストがかかるために手数料も割高になります。
結論としては
外貨建ての保険はコスト(手数料)が高いので買わない事です!
逆にしっかりと手数料をこれぐらい保険会社が頂きます(運営費として)!と事前に伝えてくれて
それでも納得していればご自身の判断に任せてもいいと思います。
(結局は自己の責任となる)
中身が理解できないと感じる場合は外貨建て保険はリスクもいっぱいなのでやめておきましょう!
郵便局や銀行窓口で勧められた場合は一度持ち帰り第三者に相談(自分で判断できない場合)してください。
※相談は予習も含めた事前の情報収集をした上で申し込みすると聞きたいこと!知りたいことが知れて効率がいいです。
保障は保険、運用は投資と分けて考えることは賛成
外貨建ての終身保険であれば、保障は死亡時などの保険金であり運用は外貨による投資となります。
分けて考えると
保険金は掛け捨ての定期保険でも準備できます。
運用面では外貨預金、外貨定期預金、外貨での債券購入での投資も効果的です。
問題は為替がどうなっているのか?
こればっかりは1年後にならないと分かりませんが保険に比べると流動性は高く選択肢が広がります
保険というネーミングですが、外貨建ての時点で保険商品とは言えない為替投資となってしまいます。
要は目的です。
・死亡保険金を備えたいのか?
・余裕資金を利回りのいい外貨で分散したいのか?
どちらにしても保険金額は上限が決まっているし、解約返戻金の戻り率もそれほど高くはありません。
外貨が好きであればいっその事、海外生命保険の方が資産形成としてはいいと感じます。
外貨建ての保険のデメリット3点と返戻率一例
外貨建て保険のデメリット
・ひとつ目は為替によって支払う保険料が毎月変動する
・ふたつ目は為替のレートと共に売買時に手数料が発生する
・みっつ目は為替リスクがある
外貨=為替とのお付き合いが必然的に始まります。
投資であれば売買も頻繁に行うこともできますが保険は基本的に売れません!
つまり外貨建ての保険はリスクがいっぱいあります。
外貨建て保険返戻率一例
住友生命経由のソニー生命米ドル建て終身保険一時払いを提案された!解約返戻金は?
この商品での20年後の返戻率は133%でした。
円建て保険の返戻率
今回は数ある円建て終身保険の一例として「オリックス生命のライズ」という商品のシミュレーションを参考にさせて頂きました。
![]()
出所:オリックス生命 シミュレーション
40歳に加入した場合払い込み完了は60歳までの20年間です。
保険金額は最低金額の300万円で算出
支払う保険料の総額は2,527,920円です(月払い保険料10533円)
満期時の解約返戻金は2,581,110円です(102.1%)
私はこちらも勧められました!
住友生命経由のソニー生命米ドル建て終身保険一時払いを提案された!解約返戻金は?
※ドル建て終身保険の返戻率一例
変額保険はどうなのか?
私はソニー生命の変額保険終身型(バリアブルライフ)という変額保険にも加入しています。
外貨建てではなく円建ての為、毎月の保険料は定額です。しかし運用先は世界の株式です。
保障は保険金が備えられており運用実績がマイナスでも設定した基本保険金額は保証されます。
(保障があるので運用利回りは変額個人年金よりも低下する)
運用面では8つの特別勘定という選択肢があり(世界の株式など)自分で配分を選択することが出来ます。
外貨建て保険を選ぶよりも自分で設定できる仕組みです。
変額保険に興味があれば相談だけでもどうぞ!
我が家の変額保険は契約から6年が過ぎました。
今解約するとまだマイナスです。
(支払ってきた保険料よりも解約返戻金は少ない)
ただし、死亡保険金は最低保障されてます。終身=一生涯なので家族に残せます。
長い目で見れば損はしないので継続しています。
まとめると
令和の時代にこれから新しく外貨建て保険に加入するメリットはありません。
それならネット証券会社の口座を開設して同じ金額を投資信託に積み立てる方が堅実です!
※子ども成長期であれば掛け捨て保険も備える
ネット証券はSBI証券と楽天証券、マネックス証券がオススメです。
外貨建て保険は契約してはダメですよー!!
ありがとうございました。