海外オフショア地域の保険商品は定期的に新商品が販売(上市)されています。
今回気になったのはカナダに本社があるサンライフ香港のVictory【ヴィクトリー】という商品。
これまでの商品との違いは「被保険者を2名まで設定できる!」という点が新たにローンチされています。
これまでの国内の保険商品の考え方では
契約者=被保険者(保険対象者)
となり、生命保険では被保険者が対象事由になることで保険金が受取人に支払われます。
保険商品を契約・購入しようとした場合にまず「契約者と被保険者、受益者(保険金受取人)」を決めなければなりません。
契約者とは
その保険商品の申し込み者であり手続きをする方です。保険料を支払う義務もあれば変更手続きをする権利もあります。
被保険者(ひほけんしゃ)とは
保険商品の対象者の方です。死亡保険であれば被保険者が亡くなることで保険金が支払われます。
受益者(保険金受取人)とは
保険金を受取ることができる方です。契約者が決めます。
海外オフショア保険のVictoryでは被保険者が2名まで設定できることで契約者が夫A、被保険者を夫Aと妻B、もしくは子Cというように申し込み時から設定できるようになりました。
どうしてこんなことが出来るのかと言うと保証(死亡保険金)の少ない投資よりの商品だからです。
メリットとなるのは被保険者が早期に亡くなった場合の手続き面だと感じます。
保険金を受け取るよりも(保険金は投資運用額(解約返戻金)とほぼ同額の為)運用を継続していく方が長い目で見て資産となります。
例えば
支払い期間中の3年目にひとりの被保険者が亡くなった場合、支払った金額と同額程度を保険金として受け取るよりも
引き続き継続してもうひとりの被保険者が保険の運用積み立て金を引き継ぐ事ができます。
このプランは損益分岐点が約8年で元本が確保されるタイプの貯蓄型保険です。
初期口座や貯蓄口座と言う振り分け(ユニット)のないシンプルなプランです。
デメリットは8年以内に解約すれば元本割れするので短期で必要な資金ではなく、余裕のある資金で運用していけば将来芽が出る商品です。
(円で受け取るなら為替も考慮)
参考:保険会社シミュレーションより
30,000USD5年払いの解約返戻金の金額
(20年後30,000ドル→72,000ドル)
(30年後は後に出てきます)
(40年後30,000ドル→279,000ドル)
100,000USDに金額を設定すると
(20年後100,000ドル→240,000ドル)
※全期前納の一括払いだともう少し戻り率は上がります。
(上記は5年払いの為)
ポイントは契約者と被保険者の名義を変更できる点です。
詳細は細かく書きませんが保険の知識がある方はご理解頂けるかと思います

目次
Victory【ヴィクトリー】の3つの特徴と概要
①支払い期間は5年払いの全期前納と分割払い、10年払い
この商品の概要はホームページにも記載されています。
選択期間は
・5年プラン(一括払い)は80歳まで
・5年プラン(年、半年、月払い)は70歳まで
・10年プラン(年、半年、月払い)は65歳まで
※最低年間保険料は約3000米ドル以上
一括か5年か10年で支払いは完了です。
つまり、リタイア世代の方でも年齢により5年払いの全期前納(一括払い)であれば80歳まで契約が可能(渡航不要)で、健康診断の提出も不要です。
桃栗三年柿八年ということわざがあるようにおいしい果実が実るにはそれ相応の年数がかかります。
親の代から子の代へ孫の代へと引き継ぐことで果実は引き継がれていきます。
資産も同じように引き継ぎ継承していくことができます。

②保険期間は契約者が120歳まで。
海外の考え方では保険は継承できるのです。つまりネクストジェネレーション(次世代)まで引き継げるのがメリットです。
本来生命保険として考えるならば契約者一代(その方が亡くなれば)保険金を受け取り終了です。
しかし海外でのプランによっては必ずしも生命保険だけでなく養老保険や貯蓄保険など用途によっていろいろな使い方が可能となってきます。
このVictoryでは支払い期間は長くても10年間で支払いきり(長期でダラダラと続けない)未来の世代も含めて引き継いでいけるのがこのプランの特徴です。
(自分たちの老後資金として使い切るのももちろん可能)
被保険者が120歳までと事実上私たちの世代だけでなく「子」や「孫」、「ひ孫」のNext Generations世代まで契約者と被保険者の変更が可能な国内ではありえない商品です。

③被保険者が2名まで設定できる
タイトルにも取り入れましたが、被保険者(対象者)を2名まで設定できるので1名(契約者である被保険者)が亡くなった場合はもうひとりの被保険者が保証と契約を引き継ぎます。
万が一両名が同時に亡くなった場合は受益者(受取人)が保険金を受け取ります。
この保険の存在があることは家族でお金の価値感が同じであれば共有しておくのがいいですね!
シミュレーションと運用先
金額は一般的な金額30,000USドルでシミュレーションしました。
余裕資金30,000ドルを5年年払い(年間6000ドル×5年)した場合
5年間に分割して支払うプランに
年間6000ドル×5年間=総額30000USD(米ドル)購入した場合
30年後の解約返戻金は141,334USD(470%)というシミュレーション結果となりました。
国内養老・貯蓄型保険では考えられない返戻率です。
返戻率の高さが今回の商品(ヴィクトリー)の特徴でもあります。
運用先は非公開だが資産配分は公開
ややこしい書き方となりますが運用先は非公開の為に分かりません。
ただしアセットクラスは公開されています。
Fixed Income(債券)割合が25~80%
Non-Fixed Income(債券以外)割合が20~75%
と経済情勢に合わせて攻めたり守ったりしています
保険会社の運用先は非公開ですが、組み入れ配分は商品パンフレットに記載されています。
運用先は分からなくても1892年の創業以来から125年以上にわたって築いてきた実績があるので心配はしていません。
この保険会社全体のストック(シミュレーションが4%として設計していても運用利回りは10%の年もあればー1%の年もある)も十分あると推測しています。
保険会社は実態の不明な怪しいところではなくニューヨーク市場とトロント市場にも上場している大手の保険会社です。
![]()
出所:楽天証券より
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/search/us_search/profile.html?ric=SLF.N
海外投資の安心材料はやはり実績がある事です。
https://www.sunlife.com.hk/en/
まとめると
今回のVictory【ヴィクトリー】は柔軟なアセット配分であることが感じ取れます。
保障を変更することができるオプションと被保険者を2名まで設定することが特徴と
貯蓄性の保険と言うのは長く寝かせるほど解約返戻金が積み重なって増えていきます。
増えた部分の一部や貯まった元本確保分は一部引き出しもできるので使い方は多種多様選択肢が広がります。
サン・ライフ・香港は渡航不要で手続きできる数少ない海外保険会社です。
日本在住者でも香港の信託経由で2021年8月時点でも手続きは可能です。
先日台湾母体の保険会社は日本人在住者の新規受け入れは中止となったと発表がありました。(2020年8月情報)
海外の銀行口座や証券口座も同じですが、開設できる時と申し込みできる時に行動しておく事で資産の分散が可能となります。
私はオフショア保険歴は2017年からとまだ最近の部類です。
しかしあっという間に5年という月日が経過したので余裕資金がある場合は早めに投資して放置しておいてよかった!と感じています。
株式や投資信託の方がリターンが大きいのは分かりますが、リターンが大きくなるほどリスクも高くなります。
どうせ老後までは塩漬け覚悟の金額であれば次第に元本が確保されていく海外保険は運用に向いていると感じます。
