先日参加したセミナーでの話の中で売れている保険の話がありました。どんな保険かというと人生100年時代という長生きに対するリスクから考えられた「長生きするほどお得になる日本初(発売当時)の保険」という保険です。
売れている訳は、終身(一生涯)で年金が受け取れるという点です。契約者が亡くなるまで年金が受け取れるので公的年金と、このGranAge(グランエイジ)で老後の不安をカバーしようという内容です。
私はまだ加入できる年齢ではないのですが、どんな保険なのか?
調べてみました。
結論から申し上げると
加入は検討しないですね(^-^;。
理由は
毎月の保険料が5万円~6万円が必要と言う事から、損する確率の方が高いという可能性と(平均寿命より長生きが条件)、時間と言う機会損失です。
保険料払い込み満了から支給開始まで最短の50歳から70歳までの20年間積み立てた保険料を70歳から90歳までの20年間で引き出しているだけのような感覚です(それでもマイナス)。
返戻率で考えると元を取る(100%以上)までにざっと41年間(50歳スタートで91歳)という年月が必要です。
長生きするほどお得な保険という事は早めに亡くなった場合は損する保険とも受け取れます。
これならば貯金している方がまだマシでしょう(70歳からと限らずいつでも自由に引き出しできるので)と言うのが私の正直な感想です。

日本生命のGranAge(グランエイジ)長寿生存生命保険について
この保険の特徴は死亡保障が付いていない年金重視の保険となっています。年金支払い前の70歳までになくなられた場合は解約返戻金と同額(70%?)が戻ってきますがマイナスです。
年金の種類は2種類あり
・5年保証期間付き終身年金
・10年確定年金
から選択できます。一括も選択可能。
10年確定年金については期間が10年と限定されているので今回のテーマ(長生きするほどお得になるのか?)には該当しないので検討から除外します。
※他社でも取り扱っている
5年間保証期間付き終身保険について
この商品は個人年金保険でありながら低解約払戻金型なので解約返戻金は低く設定されています。
保険料払い込み期間中に解約すると払込保険料の大体70%ぐらいしか戻ってきません。早期解約はほとんど戻ってこないので注意が必要です。
加入年齢は50歳から87歳まで
50歳未満の年齢では加入できない。
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※ニッセイ ホームページより引用
モデルケースの男性50歳年金開始70歳からの場合の保険料
上記シミュレーションから男性の場合の月額保険料は50790円となります。
保険料総額は50790×12か月×20年間=1218万円
年金支給額は70歳から年額60万(月5万円)なので10年後の80歳で600万円戻ってきて(支給される)20年後の90歳で1200万円受け取れます。
5年保証期間付きというのは70歳から支給開始して5年間は年金が保証されています。
ですが、5年間(60万円×5年=300万)以外は保障されないので一番もったいないのは76歳ぐらいで亡くなってしまった場合、それまで支払ってきた保険料約1200万円の内300万受け取った以外の(1200-300=900万)900万近く取り戻せない可能性が出てきます。
女性の保険料はさらに1万円高い62526円となっているのは平均寿命から算出されているのでしょう。
この保険のメリットとデメリット
メリットは
・終身で年金を受け取れるので長生きすることで多く年金を受け取れるので安心感が増す(月5万円支給が亡くなるまで)
90歳以上でトントン(プラマイゼロ)だが、時間が損失となる。
・保険料控除(一般か個人年金)で所得税と住民税が軽減される。
所得が無くなる年齢までは使えるが退職してからはメリットは薄れる。
デメリットは
・早くに亡くなるとそれまでかけてきた保険料がほとんど戻ってこない可能性がある
亡くなる年齢によって損得が分かれるのは安心とは言わない。
・死亡保障がない
個人年金という保険なので求めてはいけないが支払った保険料分が戻ってこないのは痛い。
・家族に残せない
自分年金なのでまとまった資金を家族には残せない
GranAgeグランエッジについてのまとめ
コンセプトは長生きするほどお得な保険と分かりやすくシンプルでいいのですが、返戻率が低すぎます。超低金利の円建てなので仕方ない・・。
また元本保障されている訳でもないので非常にリスクのある老後人生となります。
今後も物価が上昇していきインフレが進み円としての価値が下がっていく中ではたして20年後の年金支給額年額60万円(月5万円)の価値はどうなっているのか?
すでに加入している方は大きく目減りしますので悩むところではありますが、これから検討する方、している方は仕組みをよく理解した上で100歳以上生きるつもりで健康維持してください。