外貨建て保険と言えば主に銀行窓口で販売されている商品に契約者からの苦情が殺到しているというニュースが出ていますが契約者は60歳以上のシニア層が多いことと、銀行側も元本割れがあることを十分に説明してこなかった部分が背景にあります。
海外生命保険というのは香港で私が加入してきた商品のひとつです。
どちらも外貨で購入という点では同じですが20年後に差が出るのは何故なのか?
結論から申し上げると
手数料が高い!のと運用先の利回りに差があります。
運用先や手数料は公表されていないので、あくまで個人的な感想ですが参考になれば幸いです。
私も銀行では家族が介護保険に契約してしまったり、ゆうちょ銀行では投資信託を提案されたりと実際に身をもって経験してきました。
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そして今回は外貨建て保険を提案されました。
外貨建て保険のリスクは為替と見えない手数料であり(公表されていない)、購入した時点でマイナス・スタートということを理解していないと2年後に解約する・・・という訳にはいきません(元本割れするので)。
後のシミュレーションからも分かりますが8年以上継続しないと解約した時に元本割れしてしまいます。そこから外貨なので購入時の為替(米ドル)と解約時の為替(米ドル)を比較しなければなりません。
60歳以上のシニア世代の方にはふさわしくない保険だということが分かります。
それではシミュレーションを見てみましょう。
米ドル建て終身保険を一括払い(全期前納)した場合を解説します
今回提案されたのはソ○ー生命の商品です。
個人的にはソ○ー製品は好きなのですが今回の商品は・・・。
30代後半(37歳)のシミュレーション
支払う保険料総額は18918米ドル(約200万円)を一括で支払います。
契約後の死亡保険金は50000米ドル(約550万円)が終身で保証されます。

セールスポイント①
保険料総額に対して50000米ドルが保証されるので総合的には損はしません。
解説
家族は喜んでくれるかもしれませんが夫婦での老後資金にはなりません。
また8年目までは解約返戻金(解約時に戻ってくる金額)が100%以下=元本割れ状態なので増やす目的では最低15年以上は見ておかないと成果は期待できません。
20年後に解約すると18918米ドルは25290米ドルと133%(1.3倍)となります。
日本円にすると1ドル=110円で208万円が278万円というイメージです。
続きの2枚目

40年後に200%を超えていき元本の倍を達成できました。
36歳からスタートして76歳でやっと2倍となります。
為替が購入時と変わっていなくてもここから税金が引かれるので、実際には倍には届きません。
外貨建て保険をシニア世代の方が契約するとトラブルになるのはこのような理由がすべてだと感じました。
海外生命保険を一括払い(全期前納)した場合を解説すると
次に海外(ここでは香港)の生命保険を購入した場合
私の設計書とは金額が違い比較しにくかったので、総額保険料の近いシミュレーションを探しました。
40代半ばのシミュレーション
保険料総額は18970米ドル(約200万円)を一括で支払います。
契約後の死亡保険金は40000米ドルスタートとなります。
※支払いは一括払いだがシミュレーション上は5年払いとなっている。

こちらの商品では解約返戻金(SURRENDER VALUE)と死亡保険金(DEATH BENEFIT)を合計(TOTAL)で確認することができます。
10年後のシミュレーションでは解約すると、まだ元本割れ状態です。
15年後には加速していき
20年後には18970米ドルは42914米ドルが解約返戻金となります。
226%(2.2倍)と海外保険の中では低い方ですが国外貨建て保険では47年かかるところが20年で達成することができます。
日本円にすると1ドル=110円で換算すると208万円が472万円というイメージになります。
またこちらの保険商品の特徴は死亡保証金の高さなので
死亡保険金はその後もぐんぐんと上昇していくので90歳で亡くなるとすると156447米ドル=1720万円相当が家族に残せます。
支払った保険料は18970米ドル(約200万)だということを考えると50000米ドルの3倍近くになります。
1ドル=110円で計算しているので将来円の価値はどうなっているのか?
実際にはここから税金が引かれますが、同じ外貨建て保険で運用するにしてもその差は何なのか?運用する運用先の利回りもあると思うが保険会社に引かれる手数料(人件費、広告費、会社の利益)もあるのだと感じます。
総合的にまとめると
いかかがでしたか?
シミュレーションがあると比較がし易くて分かりやすいと思います。
どちらの商品もくくりは外貨建て保険です。
外貨建て保険は短期間で利益の出る商品ではないのでどちらも時間がかかります。
また外貨預金と違い見えない手数料が購入時から引かれる(購入時手数料として)のでスタートラインはマイナスとなります。
銀行窓口から購入の投資信託も手数料が引かれる(購入時手数料として)のでスタートラインからマイナスとなります。
最終的に損したくなければよく調べて仕組みを知る事に尽きます。
最後までお付き合いありがとうございました。